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繊維補強コンクリートの凍結融解抵抗性は!?
2021.06.10

コンクリートの性能を低下させる要因:「凍害」

凍害を引き起こす原因として「コンクリートの凍結融解作用」があります。

凍結融解作用とは、硬化したコンクリート内部の水分が凍結と融解を繰り返すことで生じる劣化現象です。

コンクリート内部の水分が温度低下によって凍結し体積が膨張、その後日中に気温が上がり融解する。

長年にわたりこの凍結と融解を繰り返すことで、コンクリートが徐々に劣化していきます。

 

寒冷地で発生しやすく、特に凍結と融解を繰り返す環境(昼と夜の寒暖差が激しい環境)では深刻な問題になるケースもあります。

一般的に凍結融解作用への対策としては、AE剤などで空気量(エントレインドエア)を調整することが挙げられます。

 

 

そこで今回は、バルチップ入りコンクリートで凍結融解試験を行った結果について解説します。

 

凍結融解の試験方法は、JIS A 1148:2010に規定される水中凍結融解方法(A法) で行いました。

凍結融解の1サイクル:供試体の中心部の温度が通常5℃~-18℃に下がり、また-18℃~5℃に上がる。

1サイクルに要する時間:3時間以上、4時間以内とする。

これを316サイクル繰り返しました。

 

結果は以下の通りです。

 

 

 

 

 

 

試験の結果「コンクリート補強繊維バルチップMK」を添加したコンクリートは、無添加のコンクリートと同等の凍結融解抵抗性を有しています。

この試験では、コンクリート標準示方書(設計編)に示されている最も厳しい条件で設定されている、相対動弾性係数85%を上回りました。

このことから、凍結融解抵抗性についてバルチップがコンクリートに悪影響を与える可能性はないと言えます。

 

室外に比べて、室内では凍結融解作用が頻繁には加わらないですが、低温つながりで一つ実績を紹介。

 

近年では既存倉庫を冷凍冷蔵倉庫に改修するケースが増えています。

倉庫内の室温が-25℃以下で管理されているような厳しい条件下においても、

断熱材の上の保護コンクリートでバルチップが採用されています。

 

通常保護コンクリートにはワイヤーメッシュがひび割れ抑制として使用されていますが、

バルチップに代替することで、「工期短縮」や「コストダウン」になっています。

また、ワイヤーメッシュが断熱材自体を傷つける可能性もありますが、バルチップの場合そのリスクもありません。

上記のような理由からバルチップの採用が増えています。

 

 

 

 

土間コン以外でも、バルチップで「工期短縮」「コストダウン」「品質向上」目指しませんか?