工場や倉庫の床などで設備を固定する際に打ち込むアンカー
鉄筋コンクリートの土間床の場合、内部の鉄筋に干渉しないように位置を確認して作業する必要があり、ひとたび干渉してしまうと修正作業が大変になります。
また、打ち込む場所が決まるため設備のレイアウトにも制限が生じます。
バルチップコンクリートであれば鉄筋が無いため、上記の課題が解決できます。
しかし、鉄筋コンクリートに施工した際と同様の引抜き性能が確保できるのか質問を頂くことがあり、実際に性能確認試験を実施しました。
条件は以下の通りです。
試験体: 金網を設置したものと、バルチップのみで補強した2種類
試験体の厚み: 100mm
溶接金網: φ4mm-100ピッチ (鉄筋比: 0.25%)
使用繊維: バルチップMK3530、添加量: 3.64kg/m3
使用アンカー: M16ボルト
埋込長: 80mm
アンカーの打ち込み状況
万能試験機にてアンカーの引抜き性能を確認
試験後のバルチップコンクリート試験体状況
以下の試験結果の通り、バルチップコンクリートと引抜き開始荷重は金網補強のものと差が見られず、性能に問題が無いことが確認できます。
アンカーの打込み位置が自由になると、特に工場で設備の位置変更や増設の際、お施主様にとってレイアウトに制限が無くなるためメリットが生まれます。
また、やむを得ずアンカーが干渉する鉄筋を切る作業が発生する場合、環境によっては火花が出る鉄筋の切断作業が実施できないこともあります。(引火性の物体があり火花が発生すると火災・爆発の危険があるなど)
元より鉄筋が無いバルチップ補強の土間床では、このような懸念も一切発生しないので安全が確保できます。
バルチップの使用により、土間床の工期短縮・ひび割れ抑制・コスト削減に加えて、このような付加価値の提案が可能です。