ここはどこでしょう?
正解は沖縄県。
この写真でも分かるように、沖縄県はコンクリートの構造物が多く
バルチップのユーザーが多い地域でもあります。
なぜ、コンクリートの建物が多いのか。
・台風が多いから
・高温多湿で白アリの発生が多いから
・米軍の占領下でコンクリートが一般化したから
など要因はいくつかあるようです。
そんな沖縄県でコンクリートの常識を覆す新工法が誕生し、
その工法での構造物がどんどん建っています。
その名は、
「Hybrid Prestressed Concrete」
(ハイブリッド・プレストレスト®・コンクリート)
通称「HPC®」 (えいちぴーしー) と呼ばれる特許技術です。
このHPC®がコンクリートの常識を覆すといわれています。
何が凄いのか。
①コンクリートなのに「薄い」。なのに強度を保つ。
最薄で38mmまで薄くすることが出来ます。
②コンクリートなのに「しなる」。
じん性、いわゆる「しなり」を持っており、一箇所へ過度に加わる力を適切に逃してくれます。
なぜ 薄くて しなる コンクリートを生むことが出来たのか。
それは、緊張材として鉄筋の代わりにカーボンワイヤーを、
そして補強繊維として「バルチップ」を使用しているからなのです。
従来のプレストレスコンクリートは中の鉄筋が錆びないように
水分の侵入を防ぐ必要があり、コンクリートを厚くとらなければなりませんでした。
HPC®は錆びる心配がないのでコンクリートを極限まで薄くすることができ、
さらにバルチップのじん性がしなりをもたらします。
そんなHPC®を使用した デザイン性あふれる建物がこちら
琉球銀行牧港店 (浦添市)
「オアシスバンク」をテーマにデザインされ
屋外のデッキ広場を覆うのは、HPC®パネルを使用した大きな屋根。
コンクリートを意匠屋根材として使うことが出来るのは、
厚さ40㎜と薄く、軽量化されているからなのです。
他にもHPC®を使用した建造物や、現在進行中のプロジェクトも数多くあります。
次回はHPC®を使用した他の建造物を紹介したいと思います。